虫歯について

虫歯の原因

虫歯は一つの原因だけでなる訳ではありません。いくつかの原因が複雑に絡み合う多原因疾患です

第1に食べる物の種類と食べ方、量です

量的には、多いとなりやすく、少ないとなりにくいと、分かりやすいですね

・食べ物の種類
何が虫歯になり易いかというと、砂糖です
甘いものが虫歯の原因と言うのは一般に良く知られていますが、甘いものの中にも悪さをする程度に非常に大きな差があって、砂糖がダントツ一番に悪さをします
この理由は、分子構造にあります。砂糖はブドウ糖1個と果糖(果物に多いのでこう呼ばれる)1個が結合した2糖類と呼ばれる糖の一つです。この砂糖が.ミュータンス等虫歯菌の働きでプラークと呼ばれるネバネバに変化します
他の糖ではこれがほとんど出来ないのです

・食べ方
日本人と虫歯の少ない欧米人ではどちらが砂糖をたべるでしょうか?
答えは、欧米人の方が2倍以上も砂糖を食べています。
然るに、多く食べる人の方が虫歯にならないのは理論に反します。ここに食べ方が重要である理由があるのです

質問です:同じ100gのお菓子を食べるのに1回で食べるのと、5回で食べるのとどちらが虫歯になりにくいのでしょうか?
答え:1回で食べてしまう方が虫歯になりにくい
理由:食後、40分間はお口の中が酸性になり、歯が溶ける環境ができます。40分毎に一口ずつでも何かを食べるとずーとお口の中が酸性のままです
ダラダラ食いがいけない、と言いますが、その理由はここにあります
お口の中が中性に戻っている間に再石灰化が起き、少々の脱灰(カルシュウムの溶け出し)
は修復されます。再石灰化の時間を長く取れば、砂糖を多く食べても虫歯になりにくいのです

2番目にブラッシングが出てきますね

・汚れが歯についてもすぐ取り除く事ができればあまり影響がありません
しかし、キチッと磨くことは中々難しく、現実には専門家である歯科衛生士と二人三脚で管理していかないと中々うまくいきません
磨き方
スクラッビング法 現在主流の毛先磨きの1方法です
歯面に直角にブラシをあて小さくブラシを振動させます
バス法 歯周病用の磨き方で歯軸に45度の角度を保ち歯周ポケットのなかに毛先をいれ、ポケット内でモゾモゾと優しく動かします。細くて軟かい毛束に毛細管現象で汚れを吸い上げるようなつもりでポケット内をかき回し、嫌気性菌(酸素があると生きられない)にたっぷり酸素を与え、弱らせましょう
歯間ブラシ 歯の間に合ったサイズを選び歯列に垂直に挿入するとうまく入ります。1日に最低一回は通すようにしましょう
デンタルフロス 歯間ブラシの入らない所の歯間部はこれしかありません。きついところ引き、押ししながら挿入すると歯間部の歯肉をいためにくくなります

3番目としてフッ素の利用があります

自然界の天然元素であり、体に良い食品であるお茶や海草、小魚などに多く含まれ、母なる海に何億年も前から現在に至るまで1.3ppmのフッ素が溶け込んでいます
利用方法
@フッ素入りの歯磨き粉の使用
A歯科医院でのフッ素剤の塗布
B家庭でのフッ素洗口:毎日歯磨き後の寝る前にぶくぶく洗口をして寝る。寝ている間は唾液がほとんど出ないのでフッ素が洗い流されず、隅々まで行き渡ったフッ素が残留しやすく効果を発揮しやすい
これさえすれば大丈夫と言う方法はありません。個々人の虫歯になり易さも同じではありません
それぞれの生活習慣や嗜好、歯の質、唾液の性状などを総合的に勘案して、個人に合った予防法を専門家と一緒になって考えていく必要があります。是非相談してくださいね


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